上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- 
俺たちはあの森へ帰ってきた。
静かで広大なここにあのときの束縛は何もない。
それに命を狙われていても絶対的に勝つ自信がある。
それは俺があの組織で筋の通った強さを知ったから。
だからこそ俺たちは襲われながらもここで2年の月日を過ごせた。
「なぁエンメルス・・。いつかさ、俺を選んだ理由聞かせてくれ。」
エンメルスは俺の肩に首を置き言った。
「だって・・。なんだか分らないけど凄く惹かれたからさ。今まで抑えてた何かが吹っ飛んだ気がして・・。」
「そっか。」
はたから見ればただのバカップルでも俺たちは人の数倍苦労してきたと思ってるし場所も場所なので特に気にもせず野外でいちゃついた。
でもそれは俺が何かを感じていたからで、心から楽しめない自分がいた。
的中する予想。
そこに居るのはディクー、何をしに来たのか。
「エンメルスよ、死にたくなければ俺について来い。」
彼女は俺の方を強く握った。
「悪いが死ぬのはお前ではない、そいつだぞ?」
一瞬手が緩んだのを感じた。
途端に鳥が羽ばたき森を鳥の声が包み込んだ。
「馬鹿言うな、俺はこいつを一生守りぬく。だから差し出しもしない死しにもしないよ。」
ディクーは俺に薙刀を向けた。
「なに、和解出来るなんて微塵も思っちゃなかったさ。」
俺もこっちのほうがやりやすい。

剣を持ち彼の刃を見た。
・・・見えない。

やはり実力の差は大きかった。
二年の間僅かな戦闘しかしてなかった俺が今までこのときを待ち鍛えていたものに勝てるわけがない。

俺は牢へ入れられた。
しばらくすると一通のテガミが。
――貴様を王子殺人未遂で極刑と処す
     10日の命を神に祈れ――
俺は静かに笑った。
僅かに生きられる期待をしてしまったことを悔やんだ。
「よう、馬鹿なことやってたんだな。」
キーティンが眼の周りを真っ赤にしつつ馬鹿にしたようにはいって来た。
馬鹿はお前だってのによ。
「まったくだよ。」
キーティンはすぐにテガミをおいて出て行った。
「皇女様からだ、」そう言い残し。
手紙の中には謝罪の文が書いてあった。
私が原因なのに貴方の濡れ衣になってしまってごめんなさい。
そんなテガミが毎日キーティンによって届いた。

俺が死ぬ日、最期の手紙は衝撃的だった。

ごめんなさい、貴方は多分私に生きるように言ったと思います。
だけど私は貴方に幸せな時をもらったの。
永遠に会えないけれど貴方は私の大切な婚約者です。
お願いします、貴方は私を忘れて幸せに生きてください。

お前が居ないのに幸せな時などあるわけがないじゃないか。

俺はすぐに牢から出された。
暗闇から開放されて俺は城へ向かう。
「ディクーに会いたい。」


THE END
スポンサーサイト

2008.05.02 
いかに彼女に格好良く見せられるか。
彼女をお姫様抱っこした俺は大した余裕もないくせにそんなことで頭の許容範囲をいっぱいにしてそれだけ考えていた。
俺はもう一度屋敷へ戻りとあるものを探した。
彼女の表情は明るく無邪気で可愛らしかった。
何故人を殺したのに・・・・そんなのは頭の片隅にもなかった。
「どうして俺にしたんですか?もっと頼りがいあるひとがいると思いますよ。」
エンメルスは不服そうな表情を見せ、ふと自分の言動を改めて考え直した。
しかしまったくいけない言動が見つからない。
「馬鹿じゃないの?」予想外だった。
まずあんなお嬢様な口調の彼女がこんな言葉を・・。
「もう良いよ、いやならおろして。」
「いえ、貴方をお守りしたいです。」顔はきっと真っ赤だっただろう。
「私のこれは命令じゃないわ、貴方の首は免れないのですよ。」
俺は彼女を見つめ笑顔で耳元にささやいた。
「私は絶対に貴方を守り通します、それ以外は今はいえません。」
かなり満足のいく雰囲気だった。
彼女のように潔白なテーブルのような色の廊下を走っていく。
花瓶に活けた花の活き活きとした姿は俺の方向感覚を正していった。
真っ白で壁に気づかないほどの白さはエンメルスを勢い良く俺から奪い取る。
つまり壁にぶつかり彼女を落としてしまったのだ。
地に落ち思いっきり腰を打った彼女はこっちをぎろりと睨んだ。
「ご・・ごめん。」
咄嗟の事だったので敬語を忘れ素が出た。
すると彼女は機嫌を直し「そうそうそのまま、私たちの仲でしょう?」と言い俺に問いかけた。
どんな仲?と答えても良かったがこの感じからそれはタブーだと察し笑顔で彼女に背中を見せた。
「おんぶなら俺のほうがダメージ大きいと思う。」
彼女はすぐに俺の背中に乗った。
又走り出す俺を見つけた警備員がエンメルスの服の血に気が付き近づいてきた。
心拍数が上がる。
来るな、来るな、来るな・・・来るな。
「どうしたのですか?エンメルス様が怪我をしてらっしゃるじゃないですか。」
・・・良かった。そう考えられるか。
「それで専属医師の元へ・・」
「それならあっちですよ。」俺の進みたい方向とは逆の方を刺す。
悪い・・・。
「かはっ!」鞘から抜いた剣に血を帯びさせた。
腹を貫いたそれは彼の生を奪った。

懐かしいな、この感じ。

そのまま俺は寮の中の上級階級のみが入ることが出来るC棟へ行った。
そこはギリギリ俺が入れる箇所で入るとキーティンがいた。
「おう、部屋借りてるぞ。」酒を飲んでいた彼はエンメルスに気づかず俺に絡んできた。
無理矢理部屋へ入ると棚を開け骨の入ったビンを取り出した。
すぐに部屋を出るとエンメルスを背負いビンを持たせた。
「誰の?」その質問に「秘密」と答えると走り出した。


第四話END

2008.05.01 
俺は彼女に呼び出された。
エンメルス、もう一度俺は彼女を触れられるのか。
いや、それは駄目か、守護する側が手を出してはならない。
大分俺もこの世の中を知ってきたものだ、そう感じ嬉しいような悲しいような。
「お久しぶりです。」
ドアを開けると懐かしい香りを感じた。
あの時は分らなかったもの。
とても美しいシャンデリアに照らされ潔白を保ち続ける丸い机、指紋一つ付いていない鏡。
一切の配置は変わっていなかった。
しかしそこには彼女は居なかった。
「どこに居るのですか?エンメルス様。」
後ろに殺気をいや・・。
眼を覆うように手で視界を隠したその手は部屋と同じ香りがした。
「久しぶり。」
この愛らしい無邪気な声の主は俺の人生を変えたあの皇女だった。
「エンメルス様。」
その姿に惚れ惚れした。
潔白で細々とした四肢に括れた腰、真っ白で所々ピンクの可愛らしく、又美しい肌、完璧な美女だ。
「どしたのですか?そんなに私が綺麗でしたか?」笑顔でほくそ笑んだ。
可愛い、可愛いよ。
あのときの積極的な野蛮具合を取り戻したいと思った。
「もう、無視しないで下さい。」少しいらっとした表情も可愛い。
ただその表情の奥は少し辛そうだった。
「何か・・・あったのですか?」
俺の気配りは彼女の心を傷つけていた。
「・・・・そのことで・・ね、ディクーの事呼んでくださります?」
ディクー・・・あの男だ。
どうしてもあいつだけは、そう思ったが俺は彼女を優しく抱き寄せる権利などない。
「分りました。」
俺はすぐに近くにいた部下に命令を下した。
彼が来るまで少しの間雑談をした、そのときが非常に楽しく彼が来なければ良いと思った。
「呼んだかい?エンメルス」
くそ。
「それでは、私はここで・・。」エンメルスは俺を呼び止めた。
「部屋の前で待ってて。それで・・絶対に私の事守ってね。」
DVか?非常に悔しく思った、彼女を救いたかった。
悲鳴を聞けばそれが出来る。
時を待った。
「なぁ、何故俺を呼んだんだ?俺を婚約者として認めたのか?」
返事は「はい」だった。
その後至らない妄想で苛々が募り始めた。
しかしすぐにそれは妄想ではなくなった。そんな音がした。

・・・でも。

「ぐあああああああ!」
何だ!?これは・・ディクーの声。
ドアが開いた。
血に塗れたディクーが叫びエンメルスが出てきた。
「な・・何を!?」
「私を連れ出して!私は・・・貴方とずっと一緒にいたいの。」
俺は手に入れた地位をすぐに捨てた。
庭にまで逃げると彼女に聞いた。
「うん・・・聞かないで。私答えられない。まだ・・。でもね、いつかこうしようと思ってたの・・・。」

第三話END

2008.04.30 
俺はただ走った。
どこに居るか・・。
すると目の前にさっき倒したはずのあいつに追われるエンメルスの姿があった。
もう少しでヤツの手は彼女に触れる。
それだけは避けないといけない、直感が告げた。
しかし唯でさえ少し遅れているのに木の幹に脚をとられた。
目の前がゆがんだ瞬間にエンメルスを掴むと男はこっちへ寄ってきた。
「馬鹿め、お前は俺には勝てないよ。育ちの悪い野獣め。」
しかしそんな声は聞こえなかった。
俺はただエンメルスの方を見て彼女が必死に抵抗する様を眺めることしか出来ないことを悔やんだ。
そして俺は背中から剣を刺された。
苦痛はすぐに止み視界が暗くなった。
するとゆっくりと知りもしない言葉を口にし始めた。
これがきっと末期症状と言うヤツだ、こんな言葉俺も聞いた事が無いのに。
だらだらだらだらと時間が過ぎるのを感じる事が俺の人生に残されたものでゆっくりと眼を瞑ると次の瞬間は来なかった。
俺は心の中で勝手に終焉を迎えた。
しかし眼を覚ますこととなった。
それもとても美しい透明の針山から漏れる光に照らされ、乾いた砂のような色をした丸い円盤の下に剣の柄を積んだ様な柔らかな凹凸を持つ不気味な物体、俺の体をコピーし映し出す奇妙な板、どこを見てもあの広大な森林にあるものは無かった。
すると俺を囲む空間が割れあの男が現れた。
「悪かったな、「俺の」エンメルスがお前をその気にさせちまって。代わりと言っては何だが今までのように生きることに必死な生活を我々がお前を雇って正してやっても良い。これは礼だ、お前に出来る最善のな。」
俺は分らない単語を流れから掴んだ。
それでも分らなかったが少なくとも今までより楽に生きられる。
このときにはエンメルスの事を忘れ安心して生きられる事に喜びを感じていた。

俺はもう忘れない、俺はもう安心できる生活など望まない、もう一度・・・あのときに戻りたい。
今はそう思える。

もう一度戻りたい。そう思っても戻れない今はアレから二年の月日が過ぎていた。
俺は今や言葉の理解は当たり前、舞台を束ねる隊長にまで上がっていた。
日が過ぎるたびにエンメルスが愛おしい、そんな気持ちが募っていった。
そんな時に俺の元へ人生で6回目の昇格の知らせが届いた。
これで俺はついに「佐」を持つ少佐へと上がった、そう考えて又一歩エンメルスに近づけると思っていた。
しかしそこにはこう書いてあった。

そなたにエンメルス皇女の守護を任せよう。

何のことだかわからなった。
え?
・・・・・・よっしゃー!
思わず叫ぶと周りにいた俺の友人のキーティンは馬鹿なやつを見るような眼でこっちを見た。
「おい。」
恥ずかしい・・。

to be continued…

2008.04.29 
最初に訂正というかなんと言うか。
二周年ストの主人公は又別の人になりました。

自分の名も知らぬまま襲い掛かる敵を薙ぎ倒すこと、それのみが俺の生き方だった。
生き甲斐ではない、生きる事しかなくそれ以上を知ることはないと思っていた。
まだ考えたこともなかった、何故俺がこんなに狙われているのか。
又一人俺の前から命が消えた。
日々それを繰り返すと悲しみは愚か喜びすら感じず寧ろそれが世界を成り立たせているものだと勘違いさせられていた。

「生きる」ことを全うした俺は暫しの休憩をと森林に覆われた広い台地の木の幹を毟り取り皮を剥がし巻いて簡易枕を作ると大きな一枚岩に寝転んで一息つこうとした。
俺の前に一人の女が現れる。
「こんにちは。私は・・。」
その声の穏やかさを知らなかった俺はただ歯痒く、そして恐ろしく感じた。
何も恐れることはない、俺よりいかにも弱そうじゃないか。
「来るな、それ以上近づくとお前の首をかっ裂くぞ。」
これ以上近づけば完全に肌が密着するであろう程近い距離から言い放つと彼女はクスクスと笑った。
「大丈夫、これ以上は近づきませんよ。」
その笑顔を見て自分が何をどの状況で言っていたかを察し恥ずかしくなった。
そしてその時こいつを殺さないとこの恥ずかしさは治まらない、そんな間違った考えの元、剣をてに取っていた。
それを察したのか彼女は俺の腕を掴んだ。
頚動脈をあまりに強く押すので思わず剣を離した。
「私は貴方にころされに来たのでも貴方を殺しに来たのでもありません、自己紹介に来たのです。」
すぐに問いかけた。
「なぜ?」と。
「そうですね、その場合私の自己紹介をするのが手っ取り早いと思います。」さっきからこの穏やかな声を聞いていると一度彼女が息をするたびにその印象は変わっていく。
最初は怖かったこの声も今は暖かさを理解しとても愛おしい声になっていた。
何も世間を知らない俺はただ彼女の名前を聞くのを待つしか出来なかった。
「私の名前はエンメルス、貴方の婚約者です。」
俺はこの時喜ぶことが出来なかった、それは生きるうえで必要無い言葉を知ることはなくただ殺して殺して生をつないでいた俺には「婚約者」の意味すら分らなかったから。
でも彼女はとても勘が鋭かった。
「あれ?婚約者って分りますか?」俺は首を横に振った。
やっぱり、そんな表情をして静かに俺の顔に触れた彼女はゆっくりと俺との距離を縮めて行った。
あと少しで唇が接触しそうになったときに俺は何も分らないくせに心臓は張り裂けそうになり喜びのような何かを感じていた。
あと少し・・。
物陰から音がすると彼女はスッと距離を戻した。
どこの野獣がこんな邪魔を・・。
剣を握り音の方を見た。
するとそこには人が立っていた。そうか、俺を狙っているのか。
「逃げなきゃ!」彼女は急に走り出した。俺の手に一枚の紙を置いて。
そこを見ると文字がびっしりと書いてあった、しかし俺は読めなかった。
追いかけた。どうしても愛おしい彼女を。
「おい、お前はエンメルスの何だ?」彼女に追いつけなかった男が俺の進行方向に立っていた。
何?俺にもそれはわからない。
「俺はエンメルスのこんやくしゃだ。」慣れない言葉を手探りで思い出した俺はギクシャクしつついった。
すると男は笑い出した。
「おい、エンメルスは俺の婚約者だぞ?俺の女に手をかける気か?」女に手をかける?意味が分らないが俺はすぐに察した。
彼は俺に剣を向けている。
ならば決まりだ、彼は俺の敵。
鋭い目つきで獣のように彼に襲い掛かった。

彼は勢いに押され腰を地に着けた。
俺は無視しエンメルスを追った。
どこだ?


第一話END

2008.04.29 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。